2018.08.15
日常
戦火のかけら
父の足には全体的なやけどの跡がある。子供の頃、そらーキレイと思ったことはないけれど、怖いとか嫌悪感を持ったことも不思議となかった。父の体の一部として受け入れていた。いつだったか、本人というよりは周りの大人からやけどの理由を聞きつけた。就学前の子供だった父はちゃんちゃんこをかぶされた状態で叔母の背中におぶさっていた。ちゃんちゃんこは元々水を含ませ滴るほど濡れていたそうだ。しかし、ちゃんちゃんこに火がつくころにはカラカラに乾いていたに違いない。爆弾がこの街に降っていた東京大空襲の日のことだ。隅田川には多くの亡くなった方がひしめいていたそうである。そんな中、藤田の家族はなんとか生きぬいた。
私は今、50歳。物心ついたころから意識せずに刷り込まれた。戦争反対である。そのために、よく聞いて、よく読み、見て、考える。自分の能力の範囲内で、さぼらないようにしていかなくちゃ。