2019.12.26
矯正治療ー気持ち
Per Axelsson 先生ご逝去
私に予防歯科を勉強するきっかけを下さったPer Axelsson 先生がご逝去されたそうです。
既に病気にかかった方や元々ハイリスクな方の診療は大切です。一方、数で言えば今の時点では大きな問題がない方の方がずっと多い訳ですが、時間が進めば、環境が悪ければ、今大丈夫な方もそのままでいられるかわかりません。健康な方を健康なままで、というのが予防医療ということになるでしょうか。私が学生として学んだ中にはそのような考え方はあまり出てこなかったように記憶しています。この病気をどのように治すかをずーとやっていた気がします。しかし虫歯や歯周病でやられた歯や骨は元には戻りません。これって治療なのか?成績の悪い学生は頭にいつも疑問を抱えながら、勉強をしない言い訳にしていました(そればかりではないが…)。
そんななか根性ナシな私は、二大疾患を避けるように専攻する道を矯正歯科に決めました。しかし進路を決めた後で、卒業した年にリンデ先生の歯周病学に出会い、翌年にアクセルソン先生の予防歯科学に出会いました。ワクワクしながら関連する書物を読んだり、その関連する方の講義や講習会を受けていました。
あ、矯正ですよね。これは私のボスが世界と渡り合えるような実力の人だったので、ユックリ構えていました。数年で道を確信し(すぐに信じられるような実力や素直さはありませんでした、ずっと疑ってた^^;)、このまま進めば大丈夫、と。私の患者さんを不幸にすることはないと考えました。そう、だから矯正治療はコツコツやっていれば大きな心配はなかったのです。
そうこうしながら私は予防歯科の考え方を自分の診療に取り入れていったのです。さらに単身スェーデンへ行き、アクセルソン先生のオフィスで働くことを許可され、まさに予防歯科を実践された歯科衛生士の小森朋栄さんに出会うことができました。今でも憧れの存在です。自分が歯科衛生士だったら、今のようにしゃべれないかもしれません。いろいろなことを学びました。
そして昨日、アクセルソン先生が亡くなられたことを教えてもらいました。残念ながら一度も話したことはありませんが、東の小さな島国の小さな矯正歯科の診療所に通ってくださる患者さんの健康のために先生のお考えが大変役に立っています。ありがとうございます!とお伝えしたいです。ご冥福をお祈り申し上げます。